All night long

※このお話は、バレンタインイベント「CHOCOLATEHOUSE」でB@byStripperWebSpiderが出品いたしました、「チョコレート革命」というお話の続きになります。まだお読みでない方は、こちらを先にご覧くださいませ♪(裏革命もぜひどうぞ。うふふ)

 

「左之左之っ♪ほら、あーんしてでござるっ」
「あ?あーんっ」
 ぱたぱたとサンダーバニーのスリッパで左之助の方へやってきたのは、もちろん左之助にとっての愛しい恋人、剣心です。あったかいスリッパが欲しい、という冷え性の恋人の為に、左之助はふかふかしたサンダーバニーちゃんのスリッパをプレゼントしたのでした。
 そんな女の子か子供のようなスリッパは嫌でござる、というのは一応見せかけだけの事。実はすっかり気に入ったようで、毎日大事に履いているのです。
 今、ふたりはお正月の準備の真っ最中。
 左之助は大掃除、そして剣心は今夜食べる為のおそばやらおせち料理を作っているのです。
 ふたりがすっかりお互いの心を確認しあい、ずっと一緒にいよう、と約束してから、もう9ヶ月が経っていました。左之助はすっかり剣心の家へ引っ越し、剣心のケーキ屋さんで働いています。剣心は客の前に出る必要がなくなったので、ますますケーキ作りに打ち込む事ができるようになり、格好よくて若い男の子がいる、という評判も立ってお店はすっかり繁盛しています。大体毎日3時頃にはケーキが全て売り切れるので、その後はふたりそれぞれ自由な時間が持てます。左之助は学校やモデルのバイトへ、剣心は新しいケーキの案を練ったりするのです。
 いつもとなりに愛しい人がいて、にっこり笑ってくれている、という生活に、剣心は初めのうち何か落とし穴や不幸が舞い降りてくるのではないかと意味もなく不安になったりしていましたが、そんな時はいつも左之助の大きい手が頭を撫でて、抱きしめてくれるのでした。
 今ではすっかり左之助との生活に慣れ、朝目覚めて左之助の腕の中で目覚めても、左之助を失うのではないか、などという言われもない不安に悩まされる事もなくなりました。

 そしてとうとう、今日は大晦日。恋人と一緒に迎える、初めての年越し。
今年のクリスマスはとっても忙しくてふたりとも目がまわりそうでしたが、お店は29日から来年3日までお休みです。どこかよそへ旅行に行こうか、という話もでたのですが、クリスマスのあまりの忙しさに、今はもうとにかくふたりでゆっくりしたい、という事になり、家でのお正月、となったのでした。
 結局几帳面な剣心のことです、大掃除でゆっくり休むどころではなかったのですが、ふたりは一緒に居られれば、何をしようと楽しくて仕方がないのでした。
 今も剣心は、皿を洗う左之助に、大きな海老のボイルを食べさせたばかり。満足そうにもぐもぐして頷く左之助にすっかり嬉しくなってしまうのです。
 今夜はどうして過ごそうか、考えるだけで剣心はわくわくしてきます。去年の年越しはひとりぼっちで、その時は名前も知らなかった左之助の事を考えたりしていたのでした。それが今年は、左之助と一緒に暮らし、暖め合って過ごせるのです。本当に、夢のようでした。
 除夜の鐘を突きに行きましょうか。それともこたつの中で蜜柑を食べさせあいっこしましょうか。寒くても平気です。なぜなら、ふたりはぴったりくっついているのですから。
 そしてそして・・・。剣心はひとり、ぽっと頬を赤らめました。
 夜は、そういうことになるのでござろうか・・・?
 拙者、左之と出会って人と抱き合う事のあたたかさや心地よさを初めて知ったように思うでござる。勿論、男性相手にそのような事をしたことは(告白されたり、無理矢理されそうになった事はあるけれど)一度もなかったし、女性相手でも妻のトモエとさえ数えるほど・・・。なのに今では、左之に抱きしめられただけでどうにかなってしまいそうで・・・。
 いかんでござる、拙者、そんなはしたないことっ!
 剣心はぶんぶんと頭を振ってそんな考えを振り払います。
 そんな剣心の隣では、今夜の事を思ってついつい笑みをもらしてしまう左之助の姿。彼の心の声を訳してみると、
  『今夜は、来年の朝がやってくるまで離しゃしねーぜ、剣心っ!』
 なんていうものだったりするのですが。
  お互いの思惑をよそに、大晦日の一日は過ぎていくのでした。

 そして、夜。
 ふたりはこたつに並んで座り、剣心がわざわざ取り寄せたというおそばを食べて、すっかりぬくぬくでした。
 こうやって超定番の年越しもいいものです。なにより、隣にいるのは誰よりも恋しい相手なのですから。
 こたつとおそばのせいでほんのりと頬を染めた剣心があまりにも可愛くて、左之助はドキドキしてしまいます。小さくて白い手がそっと差し出され、左之助のお猪口に日本酒が注がれました。
 これがしらうおのような手か、と感動して、注ぎ終えた手をつかまえます。
 「あっ・・・」
 細い声をあげて、思わずひっこめようとしたその手を、左之助は強く掴みました。
 「俺、剣心の手、すげえ好きだぜ」
 まるで女王様にキスするように、そっとささげもって唇を落とします。冷え性で冷たい指先を、左之助の大きくて日に焼けた手があたためます。
 「拙者も・・・、左之の手が好き・・・」
 ふたりは手をあわせあって、ぬくもりを与えあいました。
 「この小さい手で、あんなキレイでうめえもん作り出すんだもんな。すげえぜ、剣心」
 「左之の手は、拙者を撫でてくれるとき、とても優しくて・・・。喧嘩ばっかりしてるのに、指が長くて爪の形もきれいだし。なにより、拙者をあたためてくれるから、大好き・・・」
 ・・・それに、エッチの時は、信じられないほど拙者の全てを翻弄して・・・っと、それは恥ずかしがり屋の剣心の事、とても口には出せません。剣心は自分の考えに顔を赤らめてうつむきました。最近どうも、左之助と肌を合わせるようになってから、こんなことばかり考えてしまうのです。
 拙者もしかして、生まれつきいやらしい性分なのではござらぬだろうか?
 剣心が自己嫌悪に落ち入りそうになっている間にも、左之助は手を絡めて握ったり、剣心の爪の形をなぞったりしています。
 「ひゃっ・・・!」
 突然、手がぬるっとした感触につつまれて、剣心は思わず声をあげてしまいます。見ると、左之助が指の一本をくわえて、ゆっくり舌でなぞっているではありませんか。
 「や、やあっ・・・!」
 突然の事に驚いて、剣心はなんとか自分の手を取り返そうとしました。しかし左之助の柔らかくてあたたかい舌に深く吸い取られ、じんわりと湧いてくる快感に震えて、うまく力が入らず、左之助の思うままにされてしまいます。
 剣心が快感を感じるところはたくさんあって、左之助はそれを全て知ろうといつも夢中なのです。新しい部分を見つけるたびに、左之助は剣心がかわいくてたまらなくて、愛しさで胸がいっぱいになるのでした。
 丁寧に、いっぽんいっぽん指の間まできちんと優しく舌を這わせる度に、ふるふると剣心の肩が震えます。左之助はおかまいなしで剣心の表情や、ふせられた長い睫毛の様子を見つめています。
 「さ、さの・・・、」
 震えながら左之助に呼びかける声は小さくかすんでいて。
 少し乾いた唇に艶を与えたくて、左之助は剣心を抱きしめると同時にそっとくちづけます。
 「あっ・・・!」
 こぼした声をもすくうように、左之助の唇が剣心の小さな唇を覆い、甘いくちづけを交わします。左之助の舌にノックされて、剣心は思いきって口を開き、中へと左之助の舌を迎え入れました。すぐさま絡められる甘い感触に、剣心は身震いします。
 もうこうなると、剣心には左之助を拒む事などできません。
 そのまま左之助の力に応じて身を横たえます。左之助は唇を合わせながらゆっくりと剣心の身を覆うものを取り去ってゆきます。
 くちづけに夢中な剣心は、服を脱がされているのに気付きません。今やすっかり上気した剣心の体は、ピンク色に色づき左之助の手をしっとりと受け入れます。
 左之助は、極上の練り絹のような肌を味わう事に夢中です。脳髄を刺激する肌触りにほのかに香る剣心の香り、そして温かな体温。
 薄い胸に頬をつけて、とくとくと激しく打つ心臓の音に耳をすませます。まるで早鐘のように打つその音がたまらなく愛しくて、左之助は強く抱きしめます。どうしていままでこの身体を抱きしめられないで生きてこれたのか、本当に不思議です。そして、この小さな身体をうしなってしまえば自分はきっと狂ってしまうでしょう。
「剣心、絶対離さねぇからな。おまえも俺から、絶対離れるな。もし俺から離れたら・・・、俺、どうするかわかんねぇぞ。もしかしてお前を殺すかもしれねぇ」
 左之助はそういって剣心の喉を片手で一掴みしました。驚いて濡れた目をしばたたかせる剣心の目の奥をじっとみつめながらゆっくりと手に力をこめていきます。
「さ、さの・・・?」
 かすれた声で呼ぶ剣心に、たまらない愛おしさがふつふつとわきあがってきます。
 自分の喉を絞められているのにもかかわらず、剣心の目には一点の不安も見えません。
「左之・・・、左之、拙者左之になら・・・、左之になら・・・」
 やっと囁かれたその声に、左之助はあわてて手の力を抜きます。
「ちきしょう・・・、こんなに・・・」
 こんなに愛しくては、殺すこともままなりません。しかし、彼が違う男の腕に抱かれているところを想像しただけで、頭にかっと血がのぼってしまうのです。左之助の正気を繋ぎ止める事ができるのは、ただひとり、剣心だけ。
「剣心、離れるな・・・。頼むから、ずっと俺の側にいてくれ・・・」
 その言葉を聞いて、剣心ははっと目を瞠りました。その言葉を誰よりもいいたくて、でも年若い左之助がいつかは自分から離れていく事を恐れるばかりに口に出せなかった剣心の心に、溢れんばかりの喜びが駆けめぐりました。
 剣心は左之助の頭をそっと抱き寄せると強く唇を合わせます。
「左之、拙者も・・・、ずっと拙者の側にいて・・・」
「ああ、離すもんか・・・。この腕がちぎれちまったって・・・」
 また左之助は剣心のしっとりした肌を味わう事に没頭し始めます。
 優しく肌を撫でる左之助の手に、剣心は小さく鼻を鳴らします。
 ふと左之助の指先がちいさなふくらみを探し当てました。少し濃いピンク色にそまったそこは、まるで剣心の胸に花が咲いたようです。そこにふれた途端に剣心の身体がぴくんと震えました。しかしそこに反応してしまったのを隠そうと顔をそむける剣心でしたが、剣心の身体のことは隅々まで知っている左之助です。ほかのところに触れるふりをして小さなつぼみを指で弾いたりつまんだりして剣心の身をいいように苛めます。その刺激に耐えかねて、うっかり剣心はもうひとつの弱点である白い喉を左之に曝してしまいます。そこに左之助は舌なめずりしながら食いつきました。
「あうっ・・・」
 びくんびくんと剣心の身体は跳ね、まるで肉食獣に食い殺される綺麗な獣のようにのたうちました。
 左之助の長い舌は、剣心の身体中を辿っていきます。まるで自分の舌で剣心を封印するかのようです。こうして左之助に触れられるたびに、自分のすべてが左之助のものになるような気がして、剣心はうっとりと目を閉じます。でも左之助の手や舌は確実に剣心の弱点を探し当て、剣心の身体に火をつけるので、身体の奥から沸き上がってくる淫らな感覚を持て余して身をよじらせました。
 とうとう左之助は、さきほどまでいじり回していた胸のつぼみに食いつきました。剣心は悲鳴をあげて逃げようとしますが、左之助は自分の体重をかけて抑えつけ、いいように剣心に悲鳴をあげさせました。剣心はしゃくりあげながら快感に耐えます。
「さ、左之、お願いっ・・・!もう、もうやだぁ・・・!」
 顔を振りながら許しを請う剣心に、頬を撫でてなだめると左之助は剣心の足の間で震えている小ぶりなその部分をきゅっと握りこみます。
「ひゃっ・・・!」
 剣心は悲鳴を上げて飛び上がります。
「やだ、左之、そんな、そんなぁっ・・・」
「剣心、ちっちぇえな、おめぇの。でも、ちゃんともうすっかりその気じゃねぇか。もしかして、ずっと待ち構えてやがったんじゃねぇのか?俺がいじってやんのをよ」
 剣心は左之助の言葉に顔を真っ赤に赤らめ、身体を小さく丸めてしゃくりあげるばかりです。
 その間にも左之助の長い指はゆっくりと剣心の茎を擦りたて、胸の蕾を吸い上げています。左之助の唇はどんどん位置を下げていき、剣心のおへそにたどりつきました。小さなかわいらしいくぼみを、そっと舌でつつきます。その度に、びくんびくんとお腹が震えました。
「やだ、くすぐったいでござるぅっ・・・!」
 身をよじって逃れようとするのを、腰を強く押さえつけます。そしてとうとう、左之助の唇は立ち上がりかけて震えている濃いピンク色の茎にたどりつきました。髪の色と同じくさむらを引っ張って、ちくちくする痛みを与えていきます。この後やってくる快感の波に怯えて、剣心は足を縮めようとしますが、左之助の腕に阻まれてしまいます。剣心はただしゃくりあげながら左之助に許しを請うばかりです。しかしこんな時だけは妙に残酷になる左之助は、有無を言わせず蜜を零しながら震えている茎に吸い付きました。残る小さなふたつの珠は優しく手で揉んでやります。
 あたたかい左之助の口腔に包まれて、剣心は一度びくんと腰を跳ね上げました。ちいさな剣心の茎は、すっぽりと左之助の口のなかに覆われ、根元までくわえこまれています。左之助は優しく舌でなぞり、裏の筋や先の小さなくぼみを舐め上げました。
 剣心は沸き上がる嬌声を必死で耐えていますが、あまりの快感に耐えかねて涙をぼろぼろと流していました。なのに左之助ときたらわざと剣心を恥ずかしがらせようと、音を立てて吸い上げるのです。剣心の小さな爪先は猫の手のように丸まり、びくびくと震えだしました。
 左之助が一度口を離すと、ふるふると震えながら必死に立ち上がっている茎が現れました。左之助がふうっと息を吹きかけると、びくんと震えて白い蜜をぴゅくっとお腹の上に零してしまいます。
「まだだ、まだいくなよ」
 左之助の言葉に、剣心は必死になって耐えます。
「左之、もうだめ、許してっ・・」
「駄目だぜ、剣心。自分ばっかりいい気持ちになっちゃ不公平だろ。なぁ?」
 剣心は怯えたように目を見開きます。こんな時だけ意地悪な左之助は、一体どんな事を言い出すのでしょう。
「お返しに、俺がしてやったのと同じことしてくれよ。いいだろ?」
 途端、剣心は真っ赤になって俯きました。いままで、そんなはしたないことを左之助が剣心に強要したことは一度もありません。でも確かに、いつも自分は左之助にしてもらうばかりです。
 左之助は、剣心が真っ赤な顔でうろたえるのを見て内心ほくそえんでいました。本当にそんな事を剣心に強要するつもりは全然ありません。ただ、剣心が困る様を見てみたかっただけなのです。
 剣心は何かを決心したように顔を上げると、ゆっくりと左之助の前に膝をつきました。のろのろと左之助のボクサーパンツに手をかけます。左之助のそこは、『自分ばっかりいい気持ちになって』という彼の言葉に反して、すっかり育ちきって布を押し上げていました。パンツを外して顔を落としてきた剣心に、左之助はすっかり驚いて飛び退きました。
「け、剣心、嘘だよ、冗談だって。こんな事、剣心にさせる訳ねぇだろっ」
 しかし剣心は必死の面持ちで逃げる左之助を追います。
「拙者も、拙者もちゃんと左之を気持ちよくできるでござるよ。拙者だって・・・」
 剣心の真剣な表情に、左之助ははっとしました。
「剣心、別に無理しなくていいんだぜ。」
 剣心は小さく首を振ると、そのまま顔を落としていきます。
「さ、左之の・・・、すごく大きいでござる・・・」
 剣心は自分のしている事に興奮しながらも、初めてまじまじと目にする左之助のものに驚きを隠せません。なぜなら左之助は、恥ずかしがり屋で経験の少ない剣心を驚かせないようにと自分のそれをあまり見せないようにと気をつけていたからです。
 剣心のふっくらしたかわいい唇が、左之助の先端にそっと触れます。途端に左之助が呻き声をあげました。とっても恥ずかしがり屋のあの剣心が、こんな事をするなんて考えられません。左之助は夢を見ているのではないかと思いました。
 剣心は必死になって左之助をくわえ、顔を動かしています。しかし、寸前で放り出された剣心自身も解放を求めて疼いています。自慰をしらない剣心は、無意識に腰を動かしています。そのあまりに淫猥でかわいらしい姿に、左之助は痺れるほどの快感を堪えながら剣心の茎に手を伸ばしました。
 触れた途端、びくんと腰を跳ね上げるのに構わず、濡らした指で収縮を繰り返す奥の花に手をかけました。
「ん、んふっ・・・、やっ・・・」
 口の周りをべたべたに濡らしながら剣心が抗議の声をあげますが、左之助の指は吸い込まれるように剣心の中へと入っていきます。
 ゆっくり中で掻き回される指は、きつく締め上げられたかとおもうと緩み、更に奥へと導こうとします。左之助は、指先の感触から、剣心の中にのめりこんだ時の感じを思い出して唾を飲み込みました。
「剣心、すまねぇっ・・・!俺、もう我慢できねえ・・・」
 剣心は驚いて顔を見上げます。このまま、こんなに大きく育った左之助を受け入れる事はとても無理に思われました。剣心は慌てて逃げようとしますが、細い足首を楽々と捕らえられてしまいます。
「逃げんな、剣心。大丈夫だから・・・」
 怯えた表情の剣心を優しくなだめ、左之助は先程の食事のデザートに食べたケーキの残りからホイップしたクリームを指先で取りました。
「大丈夫だ、痛くしねぇからいい子してな」
 剣心が顔を真っ赤にして耐える中、左之助はゆっくりと中を探りほぐしていきます。剣心は短く息をつきながらその感触に耐えています。
「もう、いいか、剣心?」
 剣心はぎこちなく頷きました。続いてやってくる筈の期待と不安で目を潤ませながら、剣心は左之助へ手を伸ばしました。
「来て、左之・・・」
 左之助は、天をつくほど立ち上がった自身を剣心の小さな花びらにそっと押し当てます。そこはひくひくと蠢いて左之助を飲み込もうと震えていました。
「剣心っ・・・!」
 ぐ、っと先端が吸い込まれます。
「ああっ、左之ぉっ・・・!」
「剣心っ・・・!」
 左之助の低い呻り声と、剣心の細い悲鳴が重なります。
 ゆっくりと剣心の身体の中を、左之助の太い杭が刺し貫いていきます。とうとう根元まではいりこむと、ふたりはしばし無言で抱き合いました。剣心はしゃくりあげながら左之助にしがみつきます。
「左之、左之ぉっ・・・!」
 左之助は剣心を宥めるように頭を撫でてやりました。
「剣心、俺が欲しいか?」
 剣心は涙をいっぱいに浮かべた目で左之助をみあげながら頷きました。強く左之助にしがみつくと、深く入った腰をゆっくりとゆらめかせました。
「そう急くんじゃねぇよ、剣心・・・。俺の全部、おめぇのもんなんだからよ」
「せ、拙者もっ・・・、」
 剣心はしゃくりあげながら囁きました。
「拙者も、全部、左之の・・・、左之のでござるよ・・・」
 左之助は一瞬目を見開くと、誰もがうっとりするほど優しい笑みを浮かべて言いました。
「そうだったな・・・。じゃあ、覚悟しろよ?」
 剣心はおろおろと視線を彷徨わせて恥じ入りましたが、上目遣いに左之助をみあげると、小さくこくんと頷きました。
 左之助は、剣心の細い足を大きく広げさせると、肩まで持ち上げました。更に結合が深まります。剣心の甘い吐息が左之助の耳をくすぐりました。
 その瞬間、左之助の中にあった最後の理性が吹き飛びました。剣心が悲鳴をあげるのにも構わず、激しく突き上げます。剣心はがくがくと揺さぶられながら左之助の頭を抱えると髪の毛をくしゃくしゃにしていました。
「左之、左之っ・・・!」
 剣心は突かれる度に左之助の名を呼びました。その声は段々と高くなっていきます。
「ああっ、左之ぉっ・・・!!」
 一際高く剣心の声が響いた途端、左之助は剣心の中の一番深いところへ熱い蜜をたっぷりと流し込みました。
 剣心も、同時に自らの腹部へと快感の印をまき散らしています。
 そのままふたりはつながったまま、じっと抱き合っていました。
 一度開放して少し余裕のできた左之助は、剣心を撫でながらそっと壁にある時計に目をやりました。
 今、12月31日の夜11時四十五分過ぎ。
 来年まで、あと十五分足らずです。
 左之助はある事を思いつくと、にやりと笑みを浮かべました。
「剣心、このままもっかい、しよーぜ」
 左之助の腕に抱きしめられて、うっとりと息を整えていた剣心は、驚いて目を開きました。
「左之、拙者、もう・・・。とにかく、一度抜いて・・・」
「そんな時間ねぇんだよ。」
「え?時間って、どういう意味で・・・」
 しかし左之助は剣心の疑問には答えず、ゆっくりと繋がった部分に手を回して、結合部分をそっと撫でました。反射的にきゅっと締めつけてしまったせいで、みるみるうちに左之助は中に入ったまま大きさを取り戻してきてしまいます。
 そのあまりな感触に剣心は身を引こうとしますが、左之助の強い腕に阻まれてかないません。
「やあっ、左之ぉっ・・・」
 つながった部分から、先程の蜜がくちゅくちゅと音を立てています。剣心は恥ずかしさに頬を真っ赤に染めました。
 剣心の分身は、左之助の固い腹筋に擦られて蜜を漏らしています。
「あっ、あっ、あっ・・」
 弱いところを突かれる度、剣心は声をあげて腰を擦り寄せました。
「剣心っ、すげえ、すげえいいよぉっ」
 左之助は臆面もなく声まであげて剣心を突き上げています。剣心は左之助のこういうあけっぴろげで素直な所が大好きでしたが、今はあまりの恥ずかしさに消え入りそうな思いです。
 しかし、そんな余裕も段々となくなっていき、とうとう強い淫欲にかられて、剣心は左之助の動きに合わせて自分も腰を揺すっていました。
「左之、左之、拙者、拙者もうっ・・・!」
「駄目だ剣心、我慢しろっ・・・!」
 剣心が小刻みに震えながら限界を訴えると、左之助は厳しい声でとどめます。何故か理由はわからないままですが、剣心は素直に左之助の声にしたがい、必死で耐えました。
 しかしとうとう痙攣を始めた剣心に、残酷にも左之助は剣心自身をとらえ、根元を強く押さえることで剣心が絶頂にいたれないようにしてしまいました。
「やだ、左之、いじわるぅっ・・・!」
「もうちょっと、もうちょっと我慢しろっ・・・」
「ああ、左之、もう、もうだめぇっ・・・」
「剣心、剣心っ・・・!」
 つけっぱなしだったテレビから、小さくカウントダウンの声が響いています。
『5、4、3、2、1、』
ゼロ、と叫ぶ大観衆と、続く花火の音。同時に、一際強く剣心を突き上げて剣心を縛めていた手を放した左之助は、剣心の一番奥深くにありったけの情熱を注ぎ込みました。そして剣心も高い悲鳴を上げながら欲望を爆ぜさせていたのでした。

「剣心、年越したぜ。」
 しかし腕の中の身体から、反応はありません。
 剣心はぐったりと左之助の腕の中で気を失っていたのでした。
 左之助は、ちょっとやりすぎてしまった事に気づきます。
「あちゃ・・・。ごめんな、剣心。」
 しかし、姫納めと姫始めを同時にする、という野望が達成できて嬉しいかぎりです。左之助は剣心を抱きしめ直しながら頬ずりしました。
 とりあえず今日目が覚めたら、明けましておめでとうを言って、ちゃんと謝って、それからふたりで手をつないで初詣に行こう、と左之助は考えました。
「今年もよろしくな、剣心。」
 腕の中で眠る愛しい人に、今年初めてのくちづけをして、左之助も眠りにつくのでした。
先に初夢の中で待つ、恋人に会うために。

 

 

 

2002年1月1日 鷹宮 椿

 

 

 

 

 

 

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